相続税増税に大賛成、「生まれによる経済的優劣」は縮小すべきの詳細

相続税増税に大賛成、「生まれによる経済的優劣」は縮小すべき

私は2015年1月に予定されている相続税大増税に大賛成です。
私も実際に10年前、親の財産を相続しました。私は父を先に亡くし、10年前に母を亡くしたのです。財産は私と弟の2人の子どもが相続することになりました。
母の遺産は、現金5千万円ほど。基礎控除が5千万円プラス1人1千万円ずつで、合計7千万円。母の蓄えはそれより少なかったため、相続税は一切発生しませんでした。
そこでふと思うが、「母の親心」です。母は3年近い闘病ののちに亡くなったのですが、最初に入院したとき、「家の売却」を言い出しました。家は父が亡くなったときに母が相続したもの。ちょうどバブル期で、地価が高騰しているときでしたから、そのときの相続税で母はかなり苦労しました。
その経験があったものですから、母は「私にもしものことがあったら、子どもたちがまた苦しむ」と考えたのです。それで、家を売って賃貸マンションに暮らすことを、母は決意したのです。
結局、売った持ち家はかなり老朽化しており、上物にはほとんど値段がつかず、土地代もかなり下がっていたため、売却額は5
千万円。ですから、もし私たちが家を相続しても、税金はやはり発生しなかったでしょう。
けれど、その売却益でその後の母の入院治療費をすべてまかなうことができましたし、晩年かなりぜいたくをさせることも出来たのです。
今回の増税を私たちの例に当てはめてみますと、基礎控除額が4千2百万まで引き下げられますから、5千万円マイナス4千2百万円、イコール8百万円が課税対象になります。
兄弟折半で、それぞれ2千5万円相続するのですから、それくらいの税金は問題ないでしょう。
いずれしても私は「生まれによる経済的優劣は、政治によって可能な限り小さくするべきだ」という考えを持っています。「金持ちの家に生まれたら、一生食べるのに苦労しない」というのはいかがなものかと思うのです。
ただ「子どもに財産を残したい」と考えるのも、自然な親心。その気持ちがある程度生かされる範囲で、相続税はもっと増税してもいいのではないでしょうか。
ただし、以前、バブル時代に土地の価格があまりに上昇したため、相続した家を売却することができず、結果として相続税が払えなくなって、相続人が自ら命を絶ったというケースもありました。
そういうケースを想定したセーフティネットは必要でしょう。